ティラミスといえばクリームの上にココアがまぶしてあるだけのものが多いですけど、これはスポンジも自己主張していて良かったです。

スポンジには多分シロップが染み込ませてあり、通常よりもクリームに近い食感と質感になっています。
それを単純にクリームの下に配するのではなく、交互の層構造にすることによって、ティラミス独特の単調な食感を回避しています。

クリーム自体の味は控えめにされているようで、クリームだけを食べてもそれほど存在感はないのですが、これをスポンジと一緒に食べると、途端に酸味と甘味が口の中に広がります。
もちろんスポンジに酸味があるわけではなく、スポンジだけを食べてもそれほどぱっとするものではありません。
組み合わせの妙と言いますか、なかなか素晴らしい出来でした。

なかなか無骨な印象のスポンジです。
口に入れるとほどよい弾力でマルなんですけど、フォークで切るのに難儀するくらいなのがちょっと。
大手メーカーのロールケーキで似た食感のがありますけど、そっちはちゃんと切れるんですよね。
この違いは何なのか。

スポンジの味は卵の甘味が生きていてマル。
クリームも甘味が強くて、でもスポンジの甘味を邪魔するようなのでなくてこれもマル。
いちごは個人的に好きではないんですけど、これは水っぽくなく、酸味も控えめな印象で、これもスポンジとクリームに合っていてマル。
スポンジが分厚いせいでクリームの塊ができてしまってますけど、ここは私が有無を言う前に取られてしまったのでこれも一応マル。
高級どこのロールケーキって生クリームばっかりのが多かったりしますけど、私そういうのは嫌いです。
スポンジとクリームのバランスが良くないと、ロールケーキとしてはダメだと思うんです。

というわけで、私的にはなかなか好印象でした。

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